2018年12月22日
先生
先生
娘(あずみ)がたいへんお世話になっています。
学校生活をとても楽しんでいるようで嬉しく思っています。
娘の話を聞いていく中でいろいろと「気づき」がありました。
学校での様子を私が見ているわけではないので、よくわからないのです。
家での様子はよくわかります。
まず、娘が仮に学校でビリの成績をとっていたとしても、親御さんが娘の家での様子を見たら、まったく問題はないと思われるほどに、娘は家事をずっとしています。
一例を挙げると、私が洗濯物を取り入れて部屋に放りっぱなしにしている場合、娘はそれに気づくと、きちんと畳んであるべき場所にしまっています。それも完璧にです。しかも、私に言われたりとか、そういうことはまったくなしにしてです。
現在、都城高専で学んである兄も同様です。親が何も言わないのに、きちんと家事が完了しています。私たち親よりもずっと立派で、親の立場としては自分のことが恥ずかしいです。
責任ある立場にあるはずの大人の方も、あれほどのことができていらっしゃる方は稀なのではないでしょうか。少なくとも私にはできていません。
それどころか、子どもさんたちのいる空間で喫煙したり、さらには吸い殻をポイ捨てしたりとか、必要以上に化粧をして悪臭をまき散らして、公序良俗違反行為を平気でしているのが大人の方たちのように私には思えます。
ちなみに私の日課のひとつが仕事場の前の道路のタバコの吸い殻を拾うことです。中高生のお子さんたちが、タバコの吸い殻をポイ捨てしている様子を見たことは一度もありません。そういう犯罪行為をしているのは大人です。
16歳過ぎたら、自分の子どもには何も言わないでおこうとは思っていますが、私の本音としては、「もう少しゆっくりしてもいいのに…」です。
頭痛がひどいときなど、学校をやすんだらいいのに、と私は考えていますが、娘はそれでも学校に行っています。もうこれだけで、成績のことなどどうでもいいです。これ以上、何を望むというのでしょう。子どもにはただ元気で日々を過ごしてくれさえすればそれでいい、と私は思っています。
ドミニコ学園高校さんで講話を聞いていて、暗澹たる気持ちになりました。国公立大学に入るのが一番よいような話のように感じたからです。ちなみに、私の周りはそれほど大した学歴もないのに、立派に生活されている人たちでいっぱいです。ドミニコ学園高校の生徒さんの親御さんの中には、美容師の方、ネイリストの方もいらっしゃいます。
先生方はそういった親御さんときちんと話をされているでしょうか。
私には美容師の方とお話しする機会があります。美容師としての技術はもちろんのことながら、話術のすごさに毎回、驚かされています。その技術を盗ませていただいています。
都城にある住友ゴム宮崎工場で通訳・翻訳の仕事をさせていただいたことがあります。私が大学を出ているとか、英語の資格を持っていることとか、まったく尋ねられることはありませんでした。通訳・翻訳は、学歴などまったく関係ありません。仮にご立派な大学を卒業されていても、その場できちんとした仕事ができないと使い物になりません。
仕事柄、さまざまなお子さんと接する機会があります。親御さんや学校の先生に話せないようなことも私に話してくださることがよくあります。時にはたいへんな状況に置かれているお子さんを目にすることもあります。そういうお子さんたちの親御さんとお話すると決まって、お子さんの悪口を言われます。実際に、あるお父様に対して私は、「私自身は○○君のことをとても素晴らしいお子さんだと思っています。今、お父さんの話を聞いていて、私はとても辛いです」とお話したこともあります。
親や教師で子どもさんの魂を殺している人が相当数いらっしゃるように思います。
不幸にして、お子さんが自ら死を選ばれることとか報道で耳にします。もっと不幸なことに、親や教師でそのことの責任をとった人はひとりもいません。
口先だけです。「責任を取る」という科白を言っているだけです。
大人はなんて無責任なのでしょうか。
「ゆとり教育」、さらには「ゆとり脱却」と子どもさんたちには何の否もないのにもかかわらず、大人の都合とかで振り回されているように思います。
若者の死因の1位が自殺だというのに、大人はまったく何も考えていないようです。
自ら死を選ばないように、というのが、家庭での取り組みで、一番優先されるべきことだと私は思います。心の問題がないがしろにされすぎです。
子どもさんたちは見ています。自殺者が出たときになって初めてあたふたして、保身のことで頭がいっぱいになっている大人の見苦しい姿を。
それでは、また、来年もよろしくお願いします。
英検1級・準1級の問題でわからないことがあったら、遠慮なく、先生に質問するのだよ、と娘には言ってあります。なにとぞ、よろしくお願いします。